株式会社SEミート宮崎様
物流
パレット用自動倉庫「Rack Sorter P」
自動倉庫が支える、宮崎県初・ハラール対応処理場の挑戦! 省スペース化と品質管理を両立し、海外輸出を加速。
2024年2月、宮崎県で初となるハラール対応食肉処理施設として稼働を開始されたSEミート宮崎様。同施設では、ムスリム(イスラム教徒)でも食べられる牛肉を提供すべく、イスラム法で定められた厳格な基準に則った運用を行われています。また、と畜・解体・内臓処理からカット・加工までを一貫して担う体制を整え、国外市場への輸出拡大を目指して施設を運用しておられます。
そうした中、限られた施設スペースを最大限に活用し、品質管理と作業効率を向上させるため導入されたのが、トヨタL&F宮崎のパレット用自動倉庫「Rack Sorter P」です。
今回は、SEミート宮崎様にて在庫管理を担当されている河野様に、自動倉庫導入の背景や効果について伺いました。
“ハラール対応”という特殊性に求められた設備投資
飼料や資材価格の高騰など、畜産農家を取り巻く環境は厳しさを増しています。そうした状況下で「生産者目線でできることを」との想いから、宮崎県内の4つの生産者がスクラムを組み、新たな挑戦として海外輸出への取り組みをスタート。そこから誕生したのがSEミート宮崎様です。
同施設最大の特徴は、ハラール対応であること。と畜時には頭をメッカ(イスラム教の聖地)の方角に向け、専門知識を有するムスリムが作業を行うなど、厳格な基準を遵守。これらをすべてクリアし、ハラール認証を取得したことで、宮崎県産の高品質な牛肉を安心・安全にイスラム圏へ届ける体制を構築されています。
処理された製品は、冷凍・チルドそれぞれ専用の自動倉庫で保管。約10mという天井高を活かしたラックにより、省スペースでの大量保管を実現しています。
自動倉庫がもたらす多面的なメリット
導入以降、現場で実感されている効果は主に次の3点です。
【1. 作業効率の向上と省人化】
在庫はバーコードで一元管理されており、製品は自動的に所定位置へ格納されます。出庫時には、枝肉に付与された番号をタッチパネルに入力するだけで、必要な製品が自動で取り出される仕組みです。倉庫内で製品を探す作業が不要となり、作業員が冷蔵・冷凍庫内に長時間滞在する必要もなく、負担軽減につながっています。
【2. 品質管理と安全性の向上】
ハラール製品は外気に触れない完全密封状態が求められます。手作業による積み上げでは荷崩れや破損のリスクがありますが、自動倉庫なら規定段数で安定保管が可能。2024年夏に発生した震度6弱の地震でも製品崩壊は一切なく、安全性の高さが実証されています。
【3. 在庫管理の精度向上】
バーコードで読み取った情報はシステムで一元管理。在庫数や品目はモニター上で一目瞭然となり、人的ミスを防ぎ、正確な在庫把握を実現しています。
安定運用を支えるサポート体制
自動倉庫導入当初について、河野様は次のように振り返ります。
「初めて扱う設備に戸惑うこともありました。特に、パレットの積載状態が規定を満たしていないと作動しないなど、使用ルールの厳守が必要で、現場が慣れるまでに時間を要しました。しかし操作はシンプルで、日々の業務を通じて徐々に定着していきました。今では、スタッフからも『とてもスムーズに作業できる』と評判です」
また、導入時にはトヨタL&F宮崎の迅速なサポート体制が支えとなりました。不明点があった際や停電などトラブル時にもすぐに対応してもらえたことで、安心して運用をスタートできたそうです。現在も年1回の定期メンテナンスに加え、必要に応じた柔軟な対応が続けられています。
日本初・ハラール和牛の対米輸出へ。南九州の未来を拓くために
ハラール認証を取得した製品は、中東や東南アジアなどイスラム圏を中心に輸出が進められ、さらに日本初となるアメリカ向けハラール和牛の輸出に向けた取り組みも進行中です。
宮崎、そして南九州の農家が世界市場で誇りを持って挑戦できる——SEミート様の取り組みは、50年先、100年先の未来につながる農業発展の道を確実に切り拓いています。
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